小説「何もないところにあるもの」 僕には何もない。あの言葉をかけられるまでは、本当にそう思っていた。日差しが強くなりつつあるお盆時の昼前、汗をぬぐいながら僕は坂道を歩く。どうやら、今日は猛暑日になりそうだ。そういえば、あの言葉をかけられたときも、こんな暑い日だったな。生花と… 2024-10-08何もないところにあるもの