メメントモリ

プロジェクト・メメントモリ 後編

転移和沙が抱いている不安や恐怖、嫉妬の感情を読み取った恭治は、おもむろに携帯端末を取り出して指を滑らして文章を連ねると、画面を自身の目の前にかざした。その画面にある文章を読むなり、表に出た転移和沙は右目から一筋の涙を流した。「和沙、急なこと…

プロジェクト・メメントモリ 中編

真山から身につけておくように言われたイヤホン型のデータ送信機により、送信されたデータが第六班の端末に収集されている。数日間、出来る限り身に着けていたことで、和沙が感じるという第四の快楽の発生条件がわかった。だいたいが、恭治が起床する際で、さ…

プロジェクト・メメントモリ 前編

四月二十五日地上の光など一切届かない地下室の最奥部にその部屋はあった。数限られた人物だけが存在を知っており、その者たちのみ立ち入ることを許されたシークレット・ルームの一室。部屋の中には白衣を着た研究員と思わしき人物が数人いた。中央には、一つ…