二人が玄関を出る時に手を振ってくれたので、私も小さく手を振ったけど、すぐに玄関の戸を閉めて鍵を閉めた。
外というものが恐いなって思う。
外に出て、人の笑い声を聞くと笑っている人たち全員が私を嘲笑っているように感じてしまう。それだけが外に出たくない理由じゃないけれど、それが大きい要因の一つだ。
でも、私って贅沢なのかなぁ……
学校行かない引きこもりでも、こうやって私のことを心配してくれて家まで来てくれる友達がいるっていうのは……
まぁ、仕事で忙しい両親が朝早くから出勤しているから、家にあがりやすいってこともあるのだろうけれど、それを抜きにしても私って恵まれていると思う。
何で、あの二人はそこまで私に構ってくれるのだろうか。たまにそういう疑問が浮かぶことがある。
善意を否定するのは失礼な話だから、ネガティブに考えちゃいけないんだけど。
小学生以来の友達だから、すっごく嬉しい。中学時代も同じ陸上部だったし。
とはいっても、通学日はともかく、学校が休みの日に必ず私の家に会いに来てくれるってわけでもない。
私がそれを望んだら、本当にただのわがままになってしまう。
彼女たちには彼女たちの時間があって、そのすべてを私に費やして欲しいと思うのは、ただのわがままだ。
休みの日に、私の家を訪れない時があると少し安心する。もちろん、会えないのは寂しい気持ちにもなるけれど、私ばかりが彼女たちの時間を独占していないということがわかって、少しほっとするの。
もし、美里と春香と三人で街にお出かけ出来たら楽しいのかなぁ?
中学生まではよく遊んでた気がするけど、もうずっと昔のように思えて現実味が感じられなくて想像できない。
出来ることなら、一緒にチョコパフェを食べたり、面白い本を探したりしたいなって思う。