適当にテレビを点けて、ぼうっと眺める。どの番組でも一緒。どうせ、朝の時間帯は同じ内容ばかり報道するニュース番組ばかりだ。
同じような番組だとわかっていても、テレビを点けてしまうのは、どうしてだろう?
部屋に一人きりでいることが苦痛だから。いや、そうだったら、そもそも引きこもっているはずなんてないし。
やっぱり、誰かが私とは一切関係のない世界でトークしていることに安心感を抱くからだろうか。
テレビの笑い声だったら、私を嘲笑っていると思うこともないし、音声だけだったら賑やかな感じがする。
ニュース番組が終わって、主婦層が見そうな地方の情報番組が始まる時間帯になると、私はテレビの電源をリモコンで切った。
これからが一日の中でもより退屈な時間だ。
私が何をする気にもなれないしんどい時間。
漫画を読んでもつまんないし、ゲームなんてあまりやらない。
お昼までの二時間近くが私にとってはうざったい。
さて、どうしたものかなぁと呟きながらも、ベッドの上で横になって、ゴロゴロと寝返りを何度も繰り返す。
「寝逃げでもしようかなぁ」
寝逃げ。強引に眠って、時間が過ぎるのを待つ方法。
イヤホンを耳に入れて音楽プレーヤーを起動させて、まぶたを閉じる。
夜に眠る時も、寝逃げする時も私はこうやって音楽を聴きながら横になる。
流しっぱなしにする曲はだいたいが私が生まれる前に流行った洋楽だ。
目が覚めた時は、正午を過ぎていたらいいな。
そんなことを思いながら、私の意識は眠りの中に沈んでいった。