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シリウス祭の一日

生きもの? 生きてる? しゃべる? 意思がある?影のようで影じゃない。まるであなたの心をうつす鏡。カガンズはそんな不思議な子たち。秋の恵みに感謝。冬を迎える準備。山があかく染まった秋。今日はやがて来る冬に向けた「シリウス祭」の日です。ミラー…

忌まわしき世界に愛をこめて

 私は世界が憎い。 すべての人が幸福で、誰の心も満ち足りていて、誰とも争うことのない平和な世界。 そんな世界を許せない。 その幸福がどうやって築かれているのか誰も知らない。 誰のおかげで心が満ち足りているのか誰も知らない。 誰の犠牲で戦争が…

ジャメヴ

「久しぶり、一年振りかな?」 後ろに手を組んで、首を傾げながら優しく微笑む少女。 昼過ぎに待ち合わせた相手は、こんな暑苦しい夏なのに涼しげな振る舞いをしている。 整った顔立ちを隠すように麦わら帽子を被っていて、ロングヘアーの容姿に似合ってい…

願わくばその歌声を

「サキ、おはよう。今日もいい天気だね」 僕が挨拶をすると、先に起きていたサキはにっこりと笑顔を返してくれた。 サキは黙々と朝ごはんを作ってくれて、黙ったまま料理を並べてくれた。「いただきます。うん、今日もおいしいよ」 僕がそう答えると、サキ…

カガンズおまつりの一日

生きもの? 生きてる? しゃべる? 意思がある?影のようで影じゃない。まるであなたの心をうつす鏡。カガンズはそんな不思議な子たち。なんだか賑やかな音が聞こえてきます。カガンズたちはお祭りにやってきたようです。  1.「屋…

プロジェクト・メメントモリ 後編

転移和沙が抱いている不安や恐怖、嫉妬の感情を読み取った恭治は、おもむろに携帯端末を取り出して指を滑らして文章を連ねると、画面を自身の目の前にかざした。その画面にある文章を読むなり、表に出た転移和沙は右目から一筋の涙を流した。「和沙、急なこと…

プロジェクト・メメントモリ 中編

真山から身につけておくように言われたイヤホン型のデータ送信機により、送信されたデータが第六班の端末に収集されている。数日間、出来る限り身に着けていたことで、和沙が感じるという第四の快楽の発生条件がわかった。だいたいが、恭治が起床する際で、さ…

カガンズワンダースキャンプ

生きもの? 生きてる? しゃべる? 意思がある?影のようで影じゃないまるであなたの心をうつす鏡カガンズはそんな不思議な子たち今日はキャンプで全員集合です。 1.朝日今日はコテージからカガンズの一日が始まります。とはいっても、まだ太…

プロジェクト・メメントモリ 前編

四月二十五日地上の光など一切届かない地下室の最奥部にその部屋はあった。数限られた人物だけが存在を知っており、その者たちのみ立ち入ることを許されたシークレット・ルームの一室。部屋の中には白衣を着た研究員と思わしき人物が数人いた。中央には、一つ…

ドッペルさん

ああ、退屈。何か変化が起きて欲しいと思う。退屈ならそれを解消すべく行動すればいいと言う人もいるだろうけれど、私にはそれが出来ないからこそ退屈なんだ。みんなだったら、外出して友達とたわいのない会話をしながら街を練り歩き、ちょっとした買い物を楽…

未来視の声

「ニクスモールで幽霊にでくわしたぁ!?」口に運ぼうとしたコーヒーカップを止めた友人。「そう! しかも、オープン当日だったのよ」私は矢継ぎ早に続ける。「壁を突き抜けて出てきたのよ!!」変わらず、友人はカップを口元で止めたまま、あんぐりと口を開…

既視感の色

「ニクスモール、ただいま開店です!」長く退屈なオープニングセレモニーが終わり、やっと店内に入れる。この地域ではもっとも広いショッピングモールの開店初日だ。開店初日なら何か目新しいものがあるだろうか?ありきたりでつまらない私の世界の中で……私…